目次 7項目 AI顧問とは 顧問と開発の分け方 月の定例で決めること 頼む前に社内で決めること いばらきAIにご相談いただいたら まとめ:3か月後の姿を1行で書いてみる よくある質問 取引先の社長から「うちはAI顧問を付けている」と聞いた。気になって調べてみると、相談に乗るだけのもの、社内の勉強会を開くもの、道具まで作るものと、同じ呼び名でも中身がまちまちで、何を頼めるのかがつかめない。AI顧問を考え始めた社長が、最初に戸惑うところです。
この記事では、AI顧問とは何をする役なのかを、開発を頼む場合との違いから整理します。あわせて、月ごとの定例で何を決めるのか、頼む前に社内で決めておくこと、顧問を選ぶときに確かめたい点をまとめます。
AI顧問とは AI顧問は、社内の仕事の流れを知ったうえで、どの仕事にAIを使えるか、何から手を付けるかを一緒に決める役です。月ごとに契約し、定例の打ち合わせを重ねながら進める形があります。
似た言葉に「AX推進」があります。AXは、AIを使って仕事の進め方そのものを変えることを指す言葉です(AIトランスフォーメーションの略)。いばらきAIの顧問は、この考え方から「AX推進顧問」と呼んでいます。
なぜ「何に使うか」を決める役が要るのか 帝国データバンク水戸支店が2026年3月に行った茨城県内の調査では、生成AIの懸念や課題として「生成 AI を活用すべき業務の範囲」が42.2%で最も多く、「専門人材・ノウハウ不足」も40.8%でした。AIの道具そのものより、「どの仕事に使えばよいか」と「それを決められる人がいない」ことが、多くの会社でつまずきになっています。
どの仕事にAIが使えるかは、AIのことだけ知っていても決められません。注文はどう受けているか、集計はだれがいつしているか、どこで書き写しが起きているか。社内の仕事を知って、はじめて「ここならAIに任せられる」と言えます。AI顧問は、その両方をつなぐ役です。
AI顧問がしないこと 反対に、AI顧問に頼んでも、それだけで仕事が勝手に変わるわけではありません。決めた仕事を実際にAIに任せるには、使う人が試し、合わない所を直していく時間が要ります。道具を作り込む必要があれば、開発として別に進めることが多くなります。顧問に何が含まれ、何が含まれないかを、頼む前に確かめておきます。
顧問と開発の分け方 AIの支援を頼むとき、よく迷うのが「顧問」と「開発」の違いです。次の表のように、役目も、受け取るものも、払い方も違います。
顧問と開発の違い(いばらきAIの場合) 項目 顧問 開発 役目 AIに任せる仕事と、取り組む順番を見つけて決める 決めた仕事に合う道具を作る 進め方 月2回の定例で、仕事を1つずつ見ていく 聞き取りのあと、試作を見ながら作る 受け取るもの AIを使える仕事の一覧、取り組む順番、データがあればその場での試作 動く道具、説明のスライド、説明の動画 期間 最低3か月。4か月目からは月ごとに更新 作るものの大きさで決まる 向く場面 何から始めるか決まっていない 作りたいものが決まっている 終わったあと 続けるかを月ごとに決める 保守で、不具合の対応や小さな直しを続ける
なぜ分けるのか 顧問と開発を1つにまとめると、「何を作るか」が決まる前に作る費用がかかり始めます。先に顧問で仕事と順番を決めれば、開発では作るものがはっきりした状態で始められます。反対に、作りたいものが決まっている会社には、顧問を通さずに開発だけを頼む道もあります。
分けておくと、途中で止めやすいのも利点です。顧問で一覧と順番が手に入った段階で、社内で進めるのか、開発を頼むのかを選べます。
月の定例で決めること 顧問の中心は、月ごとの定例の打ち合わせです。いばらきAIでは月2回行います。1回の定例は、おおむね次の流れで進みます。
前回決めたことの進み具合を確かめる(試してみてどうだったか) 今回見る仕事を1つか2つ選び、今のやり方をうかがう その仕事の中で、AIが受け持てる所に印を付ける 手間の大きさと始めやすさから、取り組む順番を見直す ふだんの表や書類があれば、その場でAIを使って試作をお見せする 次の定例までに、社内で試すこと・集める書類を決める 初回の定例では、AIを使える仕事の一覧と、取り組む順番をお渡しします。2回目以降は、その一覧を上から順に進め、進み具合に合わせて順番を入れ替えていきます。
例:初回の定例で出す仕事の一覧(架空の会社)
従業員60人ほどの部品の販売会社を例にします。総務と営業の方に仕事をうかがい、AIが受け持てる所に印を付けて、下の表のような一覧にします。会社の名前も中身も、説明のための架空のものです。
例:AIを使える仕事の一覧と順番(架空) 仕事 今の手間 AIが受け持てる所 順番 問い合わせメールの返事 担当が毎回いちから書く 過去の返事をもとにした下書き。送る前に担当が読む 1 会議の議事録 録音を聞き直してまとめる 録音から要点の下書き。決まったことは参加者が確かめる 2 月ごとの売上の集計 3つの表から手で写して1枚にまとめる 表を読み込んで、いつもの形の集計表を作る 3 取引先から届く発注書の入力 形の違う書類を見ながら入力する 書類から品名と数を読み取る。数は人が見比べる 4 新しく入った人への説明 先輩が口で説明する 手順書の下書き。先輩が直す あとで
順番の1と2は、汎用のAIの画面で始められるので早く手を付けます。3と4は道具を作ったほうが効くので、試作で手応えを見てから開発として進めるかを決めます。このように、一覧の段階で「すぐ試すもの」と「作るもの」を分けておくと、社長が決めることがはっきりします。
定例と定例の間にすること 定例のあいだの2週間ほどは、社内で試す期間です。定例で決めたAIへの頼み方を、担当の方がふだんの仕事で実際に使ってみます。うまくいかなかった所は、その場でメモに残しておき、次の定例で持ち寄ります。
「試してみたが、AIの答えがずれていた」という報告も、立派な進み具合です。どこでずれたかが分かれば、頼み方を直すのか、その仕事は人に残すのかを決められます。AIは間違えることがあるので、試す段階から、人がどこで確かめるかも一緒に決めていきます。
頼む前に社内で決めること 顧問は、社内の協力があってはじめて進みます。頼む前に、次のことを決めておくと、初回の定例から話が早くなります。
窓口の人を決める:顧問とのやり取りを受ける人を1人決めます。社長でも、担当の方でも構いません。 定例に出る人を決める:仕事を知っている人が出ると、その場で印が付けられます。毎回同じ人でなくても構いません。 見せられる書類と、AIに入れない情報を決める:取引先の名前や個人の情報は伏せる、といった線を先に引きます。 3か月後にどうなっていたいかを1行で書く:「月末の集計を担当が休んでも回る」のように、仕事の名前で書きます。 決める人を決める:一覧と順番を受け取ったとき、どれに進むかを決めるのはだれかを決めます。 顧問を選ぶときに確かめたいこと AI顧問を比べるときの確かめどころ 確かめること 聞き方の例 定例の回数と形 月に何回、どんな形で打ち合わせをしますか 受け取れるもの 定例のあと、何が手元に残りますか 試作の有無 その場で動くものを見せてもらえますか 開発との関係 道具を作るときは、だれが、どの契約で作りますか 最低の期間 最低何か月から頼めて、そのあとはどう更新しますか 情報の扱い AIに入れる情報は、どう決めますか
とくに「開発との関係」は、聞いておくと後で迷いません。顧問は見つけるところまでで、作るのは別の会社に頼むことになるのか、同じ人がそのまま作れるのかで、見つけてから使い始めるまでの早さが変わります。
いばらきAIにご相談いただいたら まずは無料のご相談(オンライン・30分〜)で、困っている仕事をうかがいます。お申し込みはメールで、会社名と困っていることを一言お送りください。
AX推進顧問は、月2回の定例で、最低3か月からお受けしています。初回の定例で、AIを使える仕事の一覧と取り組む順番をお渡しし、データがあればその場で試作もお見せします。4か月目からは月ごとの更新で、続けるかどうかを毎月決めていただけます。
顧問で見つけた仕事を道具にするときは、話を聞いたエンジニアがそのまま開発としてお引き受けします。作ったあとは保守で、不具合の対応・小さな直し・問い合わせの窓口を続けます。社員の方にもAIを使いこなしてほしいときは、全6回のAI研修も別にご提案します。
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まとめ:3か月後の姿を1行で書いてみる AI顧問は、社内の仕事を知ったうえで、AIに任せる仕事と順番を決める役 顧問は見つけて決める、開発は形にして作る。受け取るものと払い方が違う 定例では、仕事を1つずつ見て印を付け、順番を見直していく 頼む前に、窓口・見せられる書類・3か月後の姿・決める人を決める まずは「3か月後に、どの仕事がどうなっていたらよいか」を、仕事の名前で1行書いてみてください。顧問を頼むかどうかを決めるときにも、その1行が判断の材料になります。