
「うちもそろそろ、ITに詳しい人に見てもらったほうがいい」。そう考えて「茨城 ITコンサル」と検索すると、会社の一覧や求人の情報が並び、どこに何を頼めるのかが見えにくいのが実情です。
ITコンサル、AI導入支援、システム会社。名前は似ていますが、得意なことと、頼んだあとに手元に残るものが違います。違いを知らずに頼むと、立派な提案書は届いたけれど、現場の仕事は何も変わらなかった、ということになりかねません。
この記事では、3つの違いを表で整理したうえで、茨城の中小企業が困りやすい所、頼む前に社内で書いておくこと、そして「作るところまで受ける顧問」という選び方を紹介します。
ITコンサル・AI導入支援・システム会社の違い
まず、言葉をそろえておきます。ITコンサルは、情報の仕組みについて会社に助言する専門家のことです。仕事の流れを調べ、どんな仕組みを入れるべきかを計画にまとめます。システム会社は、決まった仕様(作るものの細かい決めごと)に沿ってシステムを作る会社です。AI導入支援は、AIをどの仕事にどう使うかを一緒に考え、試すところまで手伝う役で、作るところまで受けるかどうかは相手によって違います。
ITコンサル・AI導入支援・システム会社の違い(一般的な傾向) | ITコンサル | AI導入支援 | システム会社 |
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| 得意なこと | 仕事の流れの調査、計画、システム選びの助言 | AIを使う仕事の見極め、試し方、社員への教え方 | 決まった仕様に沿った開発 |
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| 頼んだあとに手元に残るもの | 報告書、計画書、比べた表 | 使い方の手順、試した結果、相手によっては道具 | 動くシステム |
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| 向いている会社 | 大きな仕組みの入れ替えを考えている | AIをどこで使うか決めかねている | 作るものがもう決まっている |
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| 起こりやすいすれ違い | 計画は立ったが、作る人が別で話が切れる | 試したが、毎日使う形にならない | 仕様に書いていない現場の事情が入らない |
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表はあくまで一般的な傾向です。ITコンサルが開発まで受けることもあれば、システム会社が仕事の見直しから入ることもあります。大事なのは、名前ではなく、「どこからどこまでを、誰が受け持つか」を頼む前に確かめることです。
すれ違いが起きる場所
表のいちばん下の行を見ると、どのすれ違いも「受け持ちの切れ目」で起きています。計画する人と作る人の間、試す人と毎日使う形にする人の間、仕様を書く人と現場の間。中小企業では、この切れ目をつなぐ役を社内に置く余裕がないことが多く、そこで話が止まります。
大きな会社なら、情報システムの部署が切れ目をつなぎます。計画を読み、仕様に直し、作る会社とやり取りし、現場の声を集めて直しを頼む。中小企業でこの役を担うのは、多くの場合、社長か、ほかの仕事と兼ねている総務の担当です。頼む相手を選ぶときは、この役のどこまでを相手が受け持ってくれるかを見ると、社内に残る負担が分かります。
茨城の会社が困りやすいのはどこか
帝国データバンク水戸支店の県内調査(2026年3月)では、生成AIを使ううえでの心配や課題の1位が「生成AIを活用すべき業務の範囲」で42.2%、2位が「専門人材・ノウハウ不足」で40.8%でした。全国の中小企業を対象にした中小企業基盤整備機構の調査(令和8年3月)でも、「社内の IT/AI ノウハウ不足」が42.0%に上っています。
この2つの迷いは、ITコンサルの助言だけでも、システム会社の開発だけでも埋まりにくいものです。どの仕事に使うかが決まらないとシステム会社は作れず、決まっても社内に作れる人がいなければ、助言は計画のまま止まります。
規模による違いも見えます。同じ県内調査で、生成AIを業務で「活用している」割合は、従業員21〜50人の会社で41.5%、51〜100人で29.2%、101〜300人で23.1%でした。100人を超える会社では、部署ごとに仕事の流れが違い、どこから手を付けるかを決める段階で時間がかかっている可能性があります(理由は調査では分からず、筆者の見方です)。
県も「見積作成の省力化」にAIを使う事業を始めている
茨城県は、令和8年度の「デジタル技術を活用した生産性向上支援事業」の1つとして、「見積作成省力化に関するAI技術活用支援等業務」を行っています。水戸市のシステム会社ユードムの発表によると、同社がこの業務を受け、2026年11月に中間報告会、2027年1月に結果報告会を予定しています。
県が取り上げたのが「見積書を作る」という、どの会社にもある事務だという点は示唆的です。大きな仕組みの入れ替えではなく、毎日の事務の1つにAIを使うところから始める流れが、県の事業にも表れています。
頼む前に社内で書いておくこと
ITコンサルでも、AI導入支援でも、システム会社でも、頼む前に社内で書いておくと話が早くなることがあります。次の順に、A4の紙1枚に書いてみてください。
- 困っている仕事を3つ書く。「集計が大変」ではなく、「何を」「誰が」「週に何時間」まで書きます
- その仕事で使っている書類やファイルの名前を書く(紙の注文書、Excelの集計表、メールなど)
- いま使っているソフトやシステムの名前を書く。やめたくないもの、入れたけれど使われていないものも分けて書きます
- 決める人を書く。社長が決めるのか、部長に任せるのか。頼んだ相手が誰と話せばよいかが決まります
- 作ったあとに直してほしいことが出たら、誰に頼みたいかを書く
- いつまでに、何が変わっていてほしいかを1行で書く
6つのうち、特に大事なのは5つ目です。頼む相手を選ぶとき、多くの会社は「何を作るか」「いくらか」を比べますが、作ったあとの直しを誰が受けるかは後回しになりがちです。使い始めてから出てくる直しを受ける人がいないと、道具は少しずつ使われなくなります。
書き方の見本を1つ挙げます。「月末の請求書づくり。経理の担当1人が、営業の売上の表を見ながら、取引先ごとに請求書を作っている。月末の3日間はほぼこれだけ。使っているのはExcelの売上表と、会計ソフトの請求書の画面。会計ソフトはやめたくない。決めるのは専務。作ったあとの直しは、作った相手に頼みたい。来年の春までに、月末の3日間を1日にしたい」。このくらいの具体さがあれば、相手は一般的な説明を飛ばして、すぐに自社の話を始められます(中身は説明のための例です)。
この1枚は、相手を比べるときにも役立ちます。同じ紙を複数の相手に見せ、返ってくる提案を並べると、どの相手が自社の仕事に合わせて考えているかが分かります。
作るところまで受ける顧問という選び方
表で見たすれ違いを避ける方法の1つが、仕事の見極めから試作、作るところまでを同じ相手に頼むことです。顧問として定期的に社内の仕事を聞き、AIを使える仕事を見つけたら、その場で試作を見せ、使えそうなら道具として作る。聞いた人が作るので、受け持ちの切れ目が生まれにくくなります。
例:受注の書き写しに困っている社員70人の卸の会社
取引先ごとに形の違う注文書を、事務の担当3人が毎日、受注の表に打ち込んでいます。助言を中心にするITコンサルに頼むと、受注の仕組みを見直す計画が出てきますが、作る相手は別に探すことになります。システム会社に頼むと、受注のシステムを作る見積もりが出てきますが、どの取引先の注文書から読み取るか、といった細かい事情は、仕様書に書かれた分しか入りません。作るところまで受ける顧問なら、定例で注文書を見ながら読み取る項目を決め、その場で試作して担当の方に触ってもらい、使えそうなら道具にする、という流れを1つの相手で進められます(会社の規模や中身は説明のための例です)。
頼み方による進み方の違い(例の会社の場合)| 頼み方 | 最初に出てくるもの | 道具ができるまでに必要なこと |
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| ITコンサルに助言を頼む | 受注の仕組みを見直す計画書 | 作る相手を別に探し、計画を説明し直す |
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| システム会社に開発を頼む | 仕様書と開発の見積もり | 仕様を社内で詰める。現場の事情を書き出す |
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| 作るところまで受ける顧問に頼む | 読み取る項目の一覧と、注文書を読ませた試作 | 試作を触って直し、道具として作り込む |
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どの頼み方が合うかは、会社の状況によります。大きな基幹システムを入れ替えるなら、ITコンサルに全体の計画を頼むのが向いています。作るものがはっきり決まっているなら、システム会社に頼むのが早道です。どの仕事にAIを使うかから決めたい中小企業には、作るところまで受ける顧問が合いやすい、というのが筆者の考えです。
いばらきAIにご相談いただいたら
いばらきAIは、この記事でいう「作るところまで受ける顧問」の形をとっています。AX推進顧問(月2回の定例・最低3か月)で社内の仕事をうかがい、AIを使える仕事が見つかったら、データをお借りしてその場で試作します。
作り込む段階では、定例で話を聞いたエンジニア(代表)が、そのまま開発を受け持ちます。使い始めてからの直しは保守でお受けするので、計画・開発・直しの間で相手が替わることはありません。
A4の1枚が書けたら、メールでお送りください。初回のご相談(無料・オンライン・30分〜)で、その1枚をもとに、どこから手を付けるかをお話しします。書き切れていない所は、ご相談の場で一緒に埋めます。
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まとめ:頼む前に、A4の紙1枚を書く
- ITコンサルは助言と計画、システム会社は仕様に沿った開発。AI導入支援は相手によって受け持ちが違う
- すれ違いは受け持ちの切れ目で起きる。誰がどこまで受け持つかを頼む前に確かめる
- どの仕事にAIを使うかから決めたいなら、作るところまで受ける顧問という選び方もある
まずは、困っている仕事・使っている書類・決める人・作ったあとの直しを、A4の紙1枚に書いてみてください。その1枚を持っていけば、どの相手に頼むときも、最初の打ち合わせから自社の話ができます。