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見積もりのたびの単価の書き写しを、やめられるか?

見積書の書き写しをなくす|AIでひな形を作る手順と確かめ方

執筆いばらきAI編集部

この記事でわかること

  • 書き写しの多くは「宛名・日付」「品名と単価」「条件の文」の3か所にある
  • AIで下書きを作る前に、品目と単価の一覧を1つの表に整える
  • AIが作るのは下書きまで。単価・数量・合計と、値引きなどの判断は人が確かめる
机に置いた表の書類

取引先から「〇〇を3台と、取り付けの部材一式で見積もりをください」とメールが届きます。営業の方は、前に似た見積もりを出したExcelをコピーし、宛名と日付を書き換え、価格表を開いて品名と単価を1行ずつ写します。数量を入れ、合計を確かめ、PDFにして送ります。

慣れた作業ですが、写す所が多いぶん、宛名の直し忘れや、古い単価のまま出してしまうといったミスが起きます。価格表を見に行く手間で、返事が翌日にずれることもあります。

この記事では、見積書のどこで書き写しているかを確かめたうえで、品目と単価の一覧を整える方法、依頼の文からAIで下書きを作って人が確かめる手順を、品目と数量から見積書を作る例で説明します。

見積書で書き写している所

見積書を1枚作るときの作業を、書き写しの場所ごとに分けてみます。

見積書づくりの書き写しと、起きやすいミス
書き写す所どこから写すか起きやすいミス
宛名・日付・見積番号前の見積書、取引先の一覧前の取引先の名前が残る、日付の直し忘れ
品名・型番価格表、カタログ似た型番の取り違え
単価価格表古い価格表の単価を使う
数量・単位依頼のメールや電話のメモ個と箱、mとセットの取り違え
納期・支払い・有効期限などの条件の文前の見積書取引先ごとの条件の違いを直し忘れる

合計の計算は、Excelの式が入っていれば自動です。手間とミスが集まっているのは、計算の前の書き写しのほうです。とくに単価は、価格表が何か所かに分かれていたり、最新の版がどれか分からなかったりすると、ミスのもとになります。

見積もりの手間を減らすことは、県もテーマにしています。茨城県の「令和8年度 デジタル技術を活用した生産性向上支援事業」では、「見積作成省力化に関するAI技術活用支援等業務」を県内のIT企業が受託し、2026年11月に中間報告会、2027年1月に結果報告会を予定していると発表されています。

品目と単価の一覧を整える

AIで見積書の下書きを作るときに、いちばん大事なのは、AIに渡す品目と単価の一覧です。AIは、渡された一覧の中から品目を選んで単価を写します。一覧が古かったり、同じ品物が2行あったりすると、そのまま下書きに出てしまいます。

例:品目と単価の一覧に持たせる列
列書くことなぜ要るか
品番社内で決めた番号似た品名を取り違えないため
品名見積書に載せる正式な名前見積書の書き方をそろえるため
よく言われる呼び方取引先が使う略し方や古い名前依頼の文の言い方から品目を探せるようにするため
単位個・箱・m・式など数量の取り違えを防ぐため
単価いま使う単価見積書に写すため
更新日単価を最後に見直した日古い単価で出さないため
注意「取り付けは別」「在庫が少ない」など見積書の条件の文に添えるため

3つ目の「よく言われる呼び方」が、AIを使うときの決め手です。取引先は「いつものステー」「白いほうのカバー」のように、正式な品名を使わずに頼んでくることがあります。営業の方の頭の中にある「この言い方はこの品番」という対応を、一覧に書き出しておくと、AIが依頼の文から正しい品目を選べるようになります。

「更新日」の列は、仕入れの値上がりが続く時期ほど役に立ちます。月に1回、更新日が古い順に並べ替えて、仕入れ先の価格と見比べる日を決めておくと、古い単価のまま見積もりを出すことを防げます。AIの下書きにも更新日を一緒に書き出させれば、確かめる人が古い単価に気づけます。

一覧は1つだけにする

価格表が営業ごと、部署ごとに別々にあると、どれが最新か分からなくなります。AIに渡す一覧を「正しい一覧」として1つに決め、単価を変えるときはその一覧だけを直す、と決めます。見積書の下書きは、いつもその一覧から作られるので、古い単価が紛れこみにくくなります。

AIで下書きを作り、人が確かめる手順

一覧が整ったら、見積もりの依頼が来るたびに、次の手順で下書きを作ります。見積書のひな形(Excel)は、いま使っているものをそのまま使います。

  1. 依頼のメールや電話のメモを、品目と単価の一覧と一緒にAIに渡す
  2. 「依頼の文から品目と数量を読み取り、一覧の品番・品名・単位・単価で、見積書の明細の行にして。一覧に無い品物と、数量の分からない品物は『要確認』と書いて」と頼む
  3. 書き出された明細の行を、見積書のひな形に貼る(合計はひな形の式で出る)
  4. 宛名・日付・有効期限を、取引先の一覧から入れる
  5. 人が確かめる:品目の選び方、数量と単位、単価の更新日、条件の文
  6. 値引きや特別な条件は、営業の方か責任者が決めて書き入れ、送る

5番の確かめは、全部を同じ重さで見るのではなく、間違えたときの影響が大きい順に見ます。まず数量と単位、次に品目の選び方、最後に条件の文です。数量の取り違えは金額を大きく変えますが、条件の文の言い回しは、送ったあとに直せることもあります。

AIは、一覧に無い品物を、似た名前の品目に当てはめてしまうことがあります。2番で「一覧に無いものは『要確認』」と書かせているのは、そのためです。要確認の行があれば、営業の方が取引先に聞くか、仕入れ先に単価を確かめます。

値段を決めるのは人

AIの下書きに出てくるのは、一覧の単価をそのまま写したものです。取引先との付き合いや、まとめての注文による値引き、急ぎの手配の上乗せといった判断は、AIには任せません。そうした判断は、営業の方や責任者が下書きを見ながら決めます。下書きが早くできるぶん、値段を考える時間に回せます。

例:品目と数量から見積書へ

架空の会社の例です。設備の部材を扱う会社に、取引先から次のメールが届きました。

例:届いた見積もりの依頼

お世話になります。来月の工事で、いつものステーを40本と、白いほうのカバーを8枚、それと取り付けのボルトを一式お願いしたいので、見積もりをいただけますか。納期も教えてください。

例:AIが書き出した明細の行(単価は一覧の値を写すので、ここでは省略)
品番品名数量単位メモ
例:ST-120取付ステー 120型40本「いつものステー」は一覧の呼び方から選んだ
例:CV-08Wカバー 8型 白8枚「白いほうのカバー」は一覧の呼び方から選んだ
要確認取付ボルト一式式一式の中身(本数)が依頼の文から分からない
—納期——一覧の注意に「カバー 8型 白は在庫が少ない」とある

営業の方は、1行目と2行目の品目が合っているかを確かめます。3行目の「一式」は、40本のステーに合わせた本数かどうかを取引先に聞くことにしました。4行目の注意は、AIが一覧の「注意」の列から拾ったものです。営業の方は在庫を確かめ、納期の文を書き入れます。

前の見積書をコピーして書き換えていたときと比べると、宛名の直し忘れや、古い単価の写し間違いが起きる場所が減ります。下書きを人が確かめる手順は残りますが、確かめる所が表の中にそろっているので、見る順番に迷いません。

いばらきAIにご相談いただいたら

初回のご相談(無料・30分〜)はオンラインで行います。いまの見積書の作り方と価格表の置き方をうかがい、品目と単価の一覧をどう整えるかを一緒に考えます。見積書のひな形と価格表、依頼のメールを1通お借りできれば、その場でAIに明細の下書きを作らせてお見せします。

依頼の文を貼ると、見積書の下書きができあがり、確かめる所に印が付く、という道具が必要なときは、業務ツールの開発としてお受けします。お話をうかがったエンジニアがそのまま作り、営業の方に試作を触っていただきながら直します。アカウントは御社の名義で作り、作ったものは御社のものになります。

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まとめ:品目と単価の一覧に「よく言われる呼び方」の列を足す

  • 見積書の書き写しは、宛名・品名と単価・条件の文の3か所に集まる
  • AIに渡す品目と単価の一覧を1つに決め、更新日と呼び方の列を持たせる
  • 一覧に無い品物と数量の分からない品物は『要確認』にさせる
  • 数量と単位から順に人が確かめ、値段の判断は人が行う

まずは、いまの価格表に「よく言われる呼び方」の列を1つ足して、営業の方に思いつくものを書き込んでもらってください。その一覧が、AIで下書きを作るときの土台になります。

出典・参考

よくある質問

見積書の作成をAIで自動にすると、間違った金額で送ってしまいませんか。

下書きをそのまま送らなければ防げます。AIが作るのは下書きまでとし、送る前に人が確かめる手順を残します。

数量と単位、品目の選び方、単価の更新日を、決まった順に見ていけば、確かめる時間も短く済みます。

価格表がExcelと紙に分かれています。それでも始められますか。

始められますが、まず1つの一覧にまとめるのが先です。AIは渡された一覧から品目と単価を選ぶため、一覧が分かれていると古い単価が紛れこみます。

紙の価格表は、AIで読み取って表にすると、まとめる手間を減らせます。

取引先ごとに単価が違う場合はどうしますか。

取引先ごとの単価を一覧の列として持たせれば、AIにどの列を使うかを指示できます。

ただ、取引先ごとの条件が多い場合は、単価の欄を空けたまま下書きを作らせ、単価だけ人が入れる形のほうが確かなこともあります。

見積書の作成ソフトを入れるのと、どちらがよいですか。

品目と単価がそろっていて、依頼の形も決まっているなら、作成ソフトで足りることがあります。

依頼がメールや電話の言葉で届き、品名の言い方がばらばらな場合は、AIで依頼の文を読み取って明細にする形が合います。いまのひな形を変えずに済むのも利点です。

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